座位バレーボール
座位バレーボールの歴史

シッティング(座ったままで、または座ることの意)バレーボールは、床に臀部(でんぶ)の一部が常に接触したまま行うバレーボールといえばわかりやすいでしょう。サーブ、ブロック、アタックなどで立ち上がったり、飛び跳ねたりすると反則になってしまいます。座位バレーボールのルールは、基本的にはWPV競技規則に基づきますが、独自の特別ルールが定められています。
※ここで「臀部」とは「上体」のことであり、肩から臀部までの部位をいいます。

座位バレーボールの始まり

座位バレーボールは、1956年に戦争によって体が不自由になってしまった人々によりオランダで考案されたスポーツです。障害の治療やリハビリテーションのためにスポーツが導入されたのは1944年まで遡ります。その時、動きの少ない“シットボール”と“バレーボール”を組み合わせて作られたのが座位バレーボールの始まりです。

大会の開催

座位バレーボールが一般に関心を集めるようになったのは、1957年に大会を開催したことが影響しています。この大会のため様々な話し合いが行われルールやコートの広さ、ネットの高さなどが決定されました。そこで、座位バレーボールを考案した団体が1961年に独立して障害者スポーツ協会を設立し、それ以来座位バレーボールは選手達や試合を通し、数あるスポーツの中のひとつとして成長してきたのです。

小規模な大会から世界大会へ

1980年、ついに座位バレーボールはパラリンピックの正式種目となり、そのスピード感と興奮が選手だけでなく見る側の人にも伝わり一緒に楽しめるようになりました。また、障害者の選手達の競技精神も同時に見ることができるようになりました。そして、1983年には世界選手権も開催され、確実に世界へと広がっています。

座位バレーボールの今後

座位バレーボールは障害者や膝、足首などに怪我をした健常者のバレーボール選手達によって今も成長しています。座位バレーボールはスポーツを通して障害者と健常者が高い技術を持ち得ながら、共に運動できるスポーツ競技としてさらに成長する可能性を持っているのです。

日本における座位バレーボールの歴史
1992年6月東京で初めてシッティングバレーボールのチームが結成される
1994年9月フェスピック(極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会)
1995年8月第1回シッティングバレーボール日韓交流会(韓国)
1996年6月第2回シッティングバレーボール日韓交流会開催(東京)
1997年8月第3回シッティングバレーボール日韓交流会(韓国)
12月第1回日本シッティングバレーボール選手権大会開催(埼玉)
1998年4月第7回シッティングバレーボール世界選手権大会(イラン) 男子11位
7月第1回シッティングバレーボール全国親善交流大会in白馬 開催
10月世界シッティングバレーボール女子トーナメント(ドイツ) 4位
1999年1月フェスピック男子(バンコク大会) 銀メダル獲得
5月アジア・オセアニア・シドニーパラリンピック最終予選大会(オーストラリア大会)
男子金メダル獲得・シドニーパラリンピック出場権獲得
2000年5月World championship SV Woman 女子(オランダ) 5位
10月シドニーパラリンピック 男子9位
2002年10月シッティングバレーボール世界選手権(エジプト) 男子8位
シッティングバレーボール世界選手権(スロベニア) 女子6位
11月フェスピック男子(釜山大会 ※パラリンピックアテネ大会アジア予選)
2003年7月アジアチャンピオンシップ開催 女子(成田) 銀メダル獲得
2004年9月アテネパラリンピック※同大会の新種目に女子競技が追加(男子) 7位
2006年6月世界選手権大会(オランダ)※大会初の男女競技同時開催 男子12位 女子7位
11月フェスピック男子(クアラルンプール大会 ※パラリンピック北京大会アジア予選) 3位
北京パラリンピック出場権獲得
2007年7月アジアチャンピオンシップ 女子(上海) 銀メダル獲得
2008年9月北京パラリンピック(男女※女子は初出場) 男子8位 女子8位
2010年8月世界選手権大会(アメリカ・オクラホマ) 女子9位
12月アジアパラ競技大会(中国・広州) 女子2位 男子5位
女子:ロンドンパラリンピック出場権獲得
2011年11月1st APC Sitting Volleyball Open 2011 Championships(中国・北京) 男子6位 女子3位
2012年9月ロンドンパラリンピック 女子7位入賞
11月モスクワカップ(ロシア) 女子5位
2013年1月韓・日シッティングバレーボール國家代表交流会(韓国・天安市)
8月ロシアカップ 女子7位
2014年4月アジパラ・世界選手権 アジア・オセアニア地区予選大会 in イラン 男子7位 女子3位
男女ともにアジアパラ競技大会出場権獲得
6月世界選手権大会(ポーランド・エルブロンク) 女子9位
10月アジアパラ競技大会(韓国・仁川) 男子6位 女子3位(銅メダル獲得)
2015年5月エルブロンクカップ2015(ポーランド・エルブロンク) 女子優勝
2016年3月2016インターコンチネンタル・リオパラリンピック最終予選(中国・安吉) 男子7位 女子3位
10月アジアシッティングバレーボール大会(韓国・済州島) 男女優勝
国際バレーボール競技規則
ラリーポイント制

サーブから始まり攻撃を決めるか、ミスや反則をしなかった側がラリー勝者となり、1ポイントを獲得する。
ラリー勝者がサーブ権を持ってない場合は同時にサーブ権も獲得する。サーブ権を持っていた場合は最後にサーブした競技者が再度サーブする。サーブ権の有無に関わらずポイントが加算される制度をラリーポイント制と言う。
得点はサーブ権とは関係なく入り、25ポイント先取した方が1セット獲得となる。“5セットマッチ”で試合を行い3セット先取したチームの勝利となるが、最終の第5セットのみ15点先取した方が勝利。また、ルール改正で新しく追加された、サーブがネットに触れる“ネットイン”も認められている。

基本プレー

■サーブ  サービスゾーンから相手コート内へボールを打ち込むこと

■レシーブ 相手からのスパイクやサーブを受けること

■トス   主にセッターがアタッカーにボールを上げること

■アタック 相手コート内へ叩きつけるようにボールを打ち込むこと

■ブロック 前衛プレーヤーが両腕を伸ばしながら壁をつくり、相手のスパイクを撥ね返すように止めること

座位バレーボールの特別ルール
1. 競技者の位置

競技者の位置は、その臀部の位置によって決定され統御される。
(手足はアタックゾーンやコート外のフリーゾーンにあってもよいことを意味する)

2. スパイク

競技者は、アタックヒット(スパイク)をする場合に、臀部をコートから浮かしてはならない。(「リフティング」という)

3. ブロック

前衛は、相手チームのサービスをブロックすることが許される。ブロックを行う時、競技者はコートから臀部を持ち上げることはできない。

4. レシーブ

レシーブの時、短時間であれば臀部の離床は許される。
(その「程度」は審判員の判断に任されるが、立ち上がりや歩くことは禁止されている)
※ここで「臀部」とは「上体」のことであり、肩から臀部までの部位をいいます。

座位バレーボールの見取り図
実際に座位バレーボールをやってみたい

健常者のみでチームを結成することが出来ますが、白馬大会以外の協会主催大会に参加する場合、協会への登録が必要になります。そのうち、日本選手権だけはチーム内に障害者が1名以上在籍していることが参加の条件となります。

協会登録チームに入りたい方は最寄の地域のチームを紹介いたします。事前に連絡をいただければ所属チームの練習を見学することが可能な場合もあります。

協会主催・協力で関東を中心に教室などのイベントを開催していますので、積極的にご参加ください。これまでのイベントは、「教室・講演情報」をご覧ください。

詳しくは電話・FAX・メールで直接おたずねください。